Vol. 0 6

バイオマス由来の成分を
18%以上含有する
3次元網目構造の
高含水保湿パック材

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「テクノゲル ハイドロゲルパック AI-FIT」
本インタビューの内容は2024年4月当時のものです

COLLECTION 本号のテーマ:『テクノゲル® ハイドロゲルパック AI-FIT』

『テクノゲル』は、積水化成品独自のゲル製造技術から生まれた高機能ゲル素材の総称です。中でも『ハイドロゲルパック AI-FIT』は、バイオマス由来の成分を18%以上含有しており、保湿パックとして使用されています。

3次元の網目構造により水分や美容成分が保持され、使用中は網目構造が収縮することで、水分や美容成分が徐々に浸み出していきます(ブリード機能)。

蓄積してきたデータとAI技術を組み合わせた新規開発の処方システムにより、お客様の要望を迅速に具現化いたします。

『テクノゲル』製品サイト

『テクノゲル ハイドロゲルパックAI-FIT』はサステナブルスタープロダクトに認定されています。
積水化成品グループの独自認定基準で、特に環境への貢献度が高い製品を「サステナブル・スタープロダクト」(環境貢献製品)として社内認定しています。

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Keywords「潤い続ける」

広く一般に市販されている不織布のフェイスパックは、長時間つけていると乾燥し、肌の水分を奪ってしまうことがあります。積水化成品の『ハイドロゲルパック AI-FIT』は美容成分が時間をかけて徐々に染み出してくることで乾燥しにくく、肌に潤いを与え続けます。
ゲルは3次元の網目状になっている構造体の中に、水分や美容成分を閉じ込めています。室温や体温で網目状の構造が少しずつ縮むことで、水分や美容成分が染み出してきます。これは「ブリード機能」と呼ばれる、当社独自の機能です。

Behind The Scenes

開発裏話

お客様に喜んでもらえてこそ

営業担当 A

『ハイドロゲルパック AI-FIT』(以下『ゲルパック』)の採用は、まずお客様の驚きからスタートします。お客様から商品化のご相談があると、まずサンプルを渡し、お客様自身に使ってもらうことが多いのですが、一様に「こんな素材初めて!」、「ぷるぷる感がスゴイ」。そしてお使いいただいた後は「しっかり潤ってる」、「しっとりが続いてる」といった感想をいただきます。

フェイスパックは肌へ効率的に水分や美容成分を補給し留めておくことを目的に使われます。市販されている一般的なフェイスパックは、安価な不織布に美容液をしみ込ませただけのものがほとんどです。それに比べ『ゲルパック』は、柔らかい触感で肌の凹凸に追従し、高い透明性を備えています。そして多くのお客様から特に評価いただいているのは、最大の特長である「ブリード機能」です。『ゲルパック』の持つブリード機能は徐々に成分がしみ出てくることで、潤いが続きます。そのため不織布に比べ長時間付けていても乾燥しにくく、保湿性能に優れています。また効果的な保湿ができることで、『ゲルパック』を取った後でも肌の水分量が長時間保たれます。

そんなに理想的なフェイスパックと言える『ゲルパック』ですが、採用していただくまでに、いつも苦労していることがありました。お客様が商品に求める性能を伺う際に「しっとり感が強い」、「みずみずしさが続く」といった、抽象的な表現でいただくことが多いのです。そのニュアンスから開発担当がお客様の要望として汲み取り、感覚や経験で処方(成分の構成や比率)を決めていました。お客様も開発担当者も、個人の感覚に頼っているため、それぞれが納得するものができるまで、何度もサンプル製作と評価を繰り返すことになります。サンプルを作るだけでも1ヶ月以上の時間が必要なこともあり時間がかかり過ぎてしまった結果、商品化が中止になることもありました。

そこで転機となったのが開発部門が進めていた処方AIのリリースです。「しっとり」、「みずみずしい」といった抽象的な表現を官能評価の数値化によってお客様の要望を客観的に把握し、処方設計にAIを活用することでゲルの成分配合を即座にアウトプットすることができます。ある案件では商品化までのスケジュールがかなり短く、サンプルが作れるのも1〜2回が限度という状況でした。今までのやり方では絶対に間に合わないと諦めてしまうところですが、AIを使うことで成分の配合比率があっという間にアウトプットされました。サンプル製作も1回でお客様のイメージする最適なものが提供でき、納期も間に合わせることができました。AIを使った『ゲルパック』だからこそ、商品化に繋げることができたと嬉しくなったことを覚えています。

今後の展開として、防災用品の1つに入れてもらうことを考えています。なぜ防災?と思われるかもしれませんが、『ゲルパック』は高含水のため冷涼感があり、その冷却作用を活かして夏場の体温調整やホットフラッシュを抑制することを想定しています。スキンケアや美容といった分野に縛られずに、社会の課題解決に繋げられる、そして持っているだけで安心できる「お守り」のような製品を作りたいと思っています。流行り廃りのサイクルが早い業界で大変なことも多いですが、「Aさんのおかげで良い商品ができました」と、お客様からいただく喜びの声に、いつも嬉しい気持ちと励ましをもらっています。

ラインを流れていく『ゲルパック』

Keywords「厳しく管理されたクリーンルーム」

1日3回、トータルで1時間半をかけて清掃を行い、さらに十分な消毒を行います。 目に見えない雑菌を相手にするわけですから、念には念を入れた管理が欠かせません。意外な禁止事項として、クリーンルームに入る前に納豆を食べることができません。というのも納豆菌は繁殖力がかなり高いため、万が一に備えて納豆を控えています。
雑菌の侵入を許さない管理の徹底された環境でこそ、高品質で美しい『ゲルパック』を作ることができます。

知見や経験則をAIで残していく

営業担当 B

処方AIが構築されるまで、ゲルの処方は開発担当者の知見や経験が頼りでした。そのため要望が一緒でも、担当者ごとに聞き取り方や感じ方が違うので、担当者それぞれで異なる処方ができてしまいます。成分の中には、1%でも量が変われば使用感がまったく変わってしまうものもあり、社内基準が求められていました。そんな中、処方AIの構築プロジェクトが始まったのです。

処方AIのために、社内に専門のチームを作り進められました。とはいえ官能評価の数値化、さらに『ゲルパック』の処方を自動でアウトプットするAIは当時、私の知る限り社内どころか世の中にありませんでした。そのため、私自身が勉強しながら手探りで進めていくことになりました。まずチーム内で何度も何度も官能評価の数値化を行い、評価項目を決定。そして数値化された官能評価と関わりの強い原料の組み合わせ方を見つけていきました。そして収集・評価した大量のデータをソフトウェアに組み込むことで、プロジェクトのスタートから約2年かかってやっとお客様の要望に最適な処方を提案できるAIが形になりました。このAIによって、処方の設計にかかる時間が1/3に短縮され、提案する処方も少ない試作回数でお客様の要望に近いものが出せるようになりました。何より廃棄される『ゲルパック』を減らすことにも繋がっています。

開発の先輩たちが残した、お客様への提案や知見・経験則をデータとしてAIに組み込むことができたのは、「技術の伝承」としてやりがいのあるプロジェクトだったと感じています。しかしこれで終わりではありません。AIをどんどん活用し育てていくことで、お客様へさらにスムーズな提案を実現したいと思っています。そして『ゲルパック』に限らず社内でのAI活用に期待しています。

一方でお客様から「もっと環境に良いものが欲しい」というご意見をいただきます。『ゲルパック』は一部の材料がバイオマス由来の成分で出来ていますが、さらに成分の割合を増やした製品を検討しつつ、パッケージにベジタブルインクを使うなど、環境負荷の低い資材の採用を進めています。今後もエンドユーザーだけでなく、環境にも優しい製品作りを目指していきます。

Keywords高い透明性

『ゲルパック』は透明度の高さも特長の一つです。昨今流行りつつあるLED美顔器を、『ゲルパック』を付けたまま使うことができます。『ゲルパック』がLEDの光を遮ることなく、透過することができるのです。

高品質な製品を造るために

営業担当 C

徹底的に管理されたクリーンルームで、『ゲルパック』の製造は行われています。

最も重要なのは「消毒」です。ゲルにとって大敵である雑菌の侵入・発生を確実に防ぐため製造の当日だけでなく、前日から設備や備品を念入りに消毒をします。さらに作業者は素手で設備や備品に触れないようにしています。

またゲルの硬化に影響するため、室温・湿度もシビアに管理されています。ゲルはある程度硬化が進んだら顔の形や目元の形に型を使って打ち抜いて、パウチに入れられます。しかしゲルが適切な硬さになっていないと、うまく打ち抜くことができません。日々細かいルールを厳守しながら製造業務を行うことは大変ですが、しっかりと整えた製造環境だからこそ、安全性の高い高品質な商品ができていると自負しています。

『ゲルパック』の商品化に携わることで、普段関わりの少ない様々な人たちと1つのものを作り上げられたのが、とても良い経験になりました。また、普段利用しているドラッグストアで『ゲルパック』が販売されているのを見かけた時は、得も言われぬ嬉しさがありました。

一般的にはどうしても不織布のイメージが強いフェイスパックですが、『ゲルパック』の良さがもっと広まり、たくさんの人に使ってもらいたいと思っています。

作業者は専用防塵服と
マスク・ヘアネット・ゴム手袋を装着(画像左)
型で打ち抜かれた『ゲルパック』(画像右)
『テクノゲル』製品サイト お問い合わせ
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