開発背景

「テクポリマー」は、各種の疎水性ビニルモノマーをベースにしたポリマー微粒子です。平均粒子径・屈折率の調整や耐熱性・耐溶剤性の付与などカスタマイズが可能で、液晶ディスプレイの光拡散材や塗料・インクの艶消し材をはじめ、さまざまな用途で使用されています。
近年、次世代高速通信に向け、高周波信号に対応した半導体絶縁部材の開発が活発化していますが、高周波信号処理を行うためには伝送損失の抑制が喫緊の課題であり、誘電率や誘電正接が極力小さい新材料・新技術の開発が求められています。これらの課題に対し、積水化成品では微粒子構造の制御技術を応用し、優れた低誘電特性を有する中空ポリマー微粒子の開発に取り組んでいます。神戸大学南教授の研究チームと連携し、加工の難しいスーパーエンプラであるポリイミド樹脂の中空微粒子化にも成功しました。

中空ポリマー微粒子の特長

  • ・低誘電樹脂をベースに、絶縁体である空気層を内部に有する中空微粒子です。
  • ・基材樹脂との混合や溶融混練においても、微粒子内部への樹脂侵入が無く、中空構造を維持できます。
  • ・中空構造を持つ低誘電樹脂微粒子の小径化や高耐熱化が可能で、さまざまな半導体絶縁部材に適用できます。

ポリイミド中空微粒子の特長

  • ・内部が中空構造のポリイミドからなる球状微粒子です。
  • ・耐熱性、化学安定性、機械的特性に優れます。
  • ・粒子内部の空気層により絶縁性に優れ、軽量です。

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