中期経営計画「Spiral-up 2024」の2年目を終えて 中期経営計画「Spiral-up 2024」の2年目を終えて

当社グループでは、前年度からスタートさせた3カ年中期経営計画「Spiral-up 2024」の3つの重点課題に対してグループ全体で取り組んでおります。
『収益体質の強化』においては、経営資源の選択と集中による事業ポートフォリオの再構築と抜本的な生産革新や開発品の早期収益化に取り組んでおります。
『環境・社会課題解決型事業への転換』においては、「循環型ビジネスによる環境貢献製品の拡大」と「カーボンニュートラル実現への挑戦」を掲げ、SKG-5R(※)活動の一層の強化をはかっております。水平リサイクルの普及拡大への取組みとして、「エスレンビーズ RNW」(再生原料を使用した発泡ポリスチレンビーズ)の量産化に向けた実証事業が「環境省 令和5年度 脱炭素型循環経済システム構築促進事業(うち、プラスチック等資源循環システム構築実証事業)」に採択されました。また、環境の分野において「先進的、独自的でかつ業界をリードする事業活動」を行っている環境先進企業として、環境省より「エコ・ファースト企業」の認定を受けました。今後も持続可能な社会の実現に向けて循環型社会への貢献に取り組んでまいります。 『経営基盤の強化』においては、人権尊重の取り組みの推進を目的として、2011年6月に国連人権理事会で採択された「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、「積水化成品グループ人権方針」を定めました。引き続き社会・経済・環境の課題解決に取り組み、企業価値向上に努めてまいります。

売上面においては、ヒューマンライフ分野では、環境貢献製品の販売拡大に努めるものの、水産など主要用途での需要が減少となり、厳しい状況となりました。一方、インダストリー分野では、各地域により差があるものの、各領域での回復需要の取り込みを進めてまいりました。利益面においては、エネルギー価格高騰に対して原価低減や固定費の削減、販売価格への転嫁など収益改善に取り組みました。

その結果、当期の売上高は1,302億6千5百万円(前期比4.5%の増加)、営業利益は12億6千1百万円(前期比59.0%の増加)、円安進行に伴う為替差益を含む経常利益は27億3千3百万円(前期比288.1%の増加)でありました。さらに、当期において、子会社に関連する固定資産減損等の一時的な損失含む特別損失3億1千8百万円、投資有価証券の一部売却に伴う特別利益2億8百万円を加・減算し、親会社株主に帰属する当期純利益は10億8千3百万円(前期比139.4%の増加)となりました。

当期の期末配当金につきましては、1株につき10円とさせていただきました。これにより、既にお支払いしております中間配当金(1株につき3円)と合わせまして、当期の年間配当金は前期より1円増額の1株につき13円となります。

今後の見通しにつきましては、金融引き締めや不安定な国際情勢などによる景気減速の懸念に加え、為替の変動、原料価格、エネルギー価格の変動の影響に留意する必要があります。

ヒューマンライフ分野においては、インバウンド需要回復による行楽・観光関連資材需要の拡大を予想する一方で、物価上昇などの影響もあり個人消費の持ち直しに足踏みがみられ、スーパー等の食品用トレー、飲食店における持ち帰り容器などの内中食需要が落ち着くものと見込まれます。インダストリー分野においては、モビリティ領域は、ウクライナ情勢や地政学リスクによるサプライチェーン悪化の懸念もありますが、部材用途、部品梱包材用途では、地域やメーカーによってばらつきはあるものの、全般的に回復基調が予想されます。また、エレクトロニクス領域においては、液晶関連全般で、引き続き需要の回復が期待されます。

なお、2025年3月期の連結業績見通しにつきましては、売上高1,320億円、営業利益25億円、経常利益22億円、親会社株主に帰属する当期純利益8億5千万円を見込んでおります。

株主の皆様におかれましては、今後とも一層のご支援ご鞭撻を賜りますようお願い申しあげます。

※「SKG」は、積水化成品グループ、「5R」は、Reduce,Reuse,Recycle,Replace,Re-createを指します。